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あなたにもわかる株価のエリオット波動
エリオット波動は、株価が「トレンド」と「修正」から成るパターンで動くという理論です。この理論は、特に株式市場で価格の動きを予測する際に広く使われています。ここでは、日本株と米国株の例を使ってエリオット波動の基本を説明します。
エリオット波動の基本構造
エリオット波動は、主に5つの推進波と3つの修正波で構成されるサイクルを持っています。推進波はトレンドに従う波で、修正波はトレンドに逆行する波です。
推進波 (5波動構成)
- 第1波: 初期の上昇(または下降)で、トレンドが形成され始める段階。市場の参加者がこのトレンドを認識し始める。
- 第2波: 修正が入り、最初の動きに対する反動。投資家の間で「行き過ぎ」との判断が出ることが多い。
- 第3波: 最も強力な推進波。この波で大きな市場の関心を集め、ボリュームも急増する。
- 第4波: 再び修正が入るが、比較的小さく、市場全体が引き続き強気(または弱気)を維持。
- 第5波: 最後の推進波で、トレンドがピークに達することが多い。
修正波 (3波動構成)
エリオット波動が終了した後、トレンドに対する修正が3つの波動で現れます。
- A波: トレンドに反対する最初の修正。
- B波: 元のトレンドの一時的な回復。
- C波: 大きな修正で、トレンドが完全に逆転することが多い。
エリオット波動の日米の実例
日本株の例
例えば、日経平均株価を例にすると、2020年の新型コロナウイルスによる急落(A波)がありましたが、その後の政府の刺激策や市場の回復を受けてB波が出現しました。そして、2021年にはさらなる上昇を続け、第5波のピークに達したと見なされる場面がありました。
米国株の例
米国株では、S&P 500指数がリーマンショック後の2009年に底を打った第1波として認識され、その後、2010年代にかけて強い上昇トレンド(第3波)を続けました。2020年のパンデミックにより、短期的な第4波の修正があり、その後再び急上昇し、第5波のピークに向かった動きが見られました。
波動の活用
エリオット波動理論は、単なるパターン分析に留まらず、相場がどの段階にあるかを理解することで、投資戦略を立てるのに役立ちます。第3波に乗ることが最も利益を得やすいとされ、第5波の終わりでは慎重な対応が必要です。
波動の分析は、他のテクニカル指標やファンダメンタルズ分析と組み合わせて使うとより有効です。